「自分の子どもが欲しい!」「将来は子育てをしたい!」そんな風に考えているゲイの方も多いはず。しかし、まだまだ日本ではゲイカップルの子育てに対する理解は進んでいないのが現状です。今回はゲイカップルの子育てについて、養育里親と養子縁組の違いなどを分かりやすく解説します!
ゲイカップルが子育てをする方法は?
ゲイカップルの子育てには多様な選択肢があります。代理母出産や、友情結婚など。そのなかでも今回は一般的な方法であり、かつ特に混同しやすい養育里親と養子縁組の二つを中心に解説していきます。
養育里親制度について
そもそも里親制度とは?
「里親制度」は、育てられない親の代わりに一時的に家庭内で子どもを預かって養育する制度です。里親と子どもに法的な親子関係はなく、実親が親権者となります。里親は行政から子育てを委託されている立場となるため、所定の養育費などが支給されます。里親の場合、里子の実親の状況が改善したり、里子が上限年齢の18歳(~20歳)になったりした時点で、児童相談所が委託を解除します。
日本では生みの親のもとで育つことができない子どもたちは約45,000人いますが、その約80%が乳児院や児童養護施設などの施設で暮らしています。2017年4月に施行された改正児童福祉法にて、家庭と同様の養育環境のなかで、継続的に、子供が養育されるよう養子縁組や里親、ファミリーホームへの委託が原則となりました。そのため、今後ますます養育里親制度は広まっていくことが予想されています。
どんな人が里親になれるの?
里親になるには、自治体が定めた一定の要件をクリアし、事前研修などを受ける必要がありますが、特別な資格は必要ありません。独身であっても、里親になれます。
ただ、里親になるには児童相談所への事前登録が必要です。事前登録後、施設での面会、交流を重ね、様子を見ながら児童相談所が里子の委託を決定します。
日本でゲイカップルは里親制度を利用できるの?
先述の通り、里親になる上で男女の夫婦である必要はないため、ゲイカップルでも里親に登録することができます。2017年には、大阪市が全国で初めて同性カップルを里親に認定しました。今後も同性カップルの里親制度認定は増えていくと考えられています。
里親になる上での注意
里親制度はあくまでも「子どものため」の制度ということを念頭に置く必要があります。そのため、例え里親登録が完了したとしても、子どもの委託は時間をかけて検討されます。
参考記事:
養子縁組について
そもそも養子縁組とは?
養子縁組とは、養親と養子との間に法律上の親子関係を作り出す制度です。養子縁組には、①縁組後も実親子関係が存続する「普通養子縁組」と②縁組により実親子関係が終了する「特別養子縁組」の2つがあります。普通養子縁組では、養子が実親との親子関係を存続したまま、養親との親子関係を作ります。特別養子縁組は、原則6歳未満の子どもが対象であり、子どもが戸籍上も実親との親子関係を断ち切り、養親が養子を実子と同じ扱いにする養子縁組です。
日本でゲイカップルは子どもと養子縁組を結べるの?
現在の日本の法制度では同性婚が認められていないため、同性カップルは婚姻届を提出することができません。そのため、養子と法的に親子関係を結ぶこともできません。
家族に多様なあり方を!海外の事例紹介
同性婚が認められている海外の国では、既に多くのゲイカップルが養子を受け入れるなど、多様な子育てのあり方が広まっています。
スウェーデン在住の中村光雄さんと年上の夫のリカルド・ブレンバルさんは、6歳の息子と3人暮らしをしています。3人家族の日常は「ふたりぱぱ」というYouTubeチャンネルで発信しており、チャンネル登録者数は20万人を超えています。
また、アメリカでは3人親が認められており、全員が男性のケースもあります。
おわりに
ここまでゲイカップルの子育てについて説明してきましたが、いかがだったでしょうか?日本で社会的な養護が必要な子どもが増えつつあるなか、同性カップルは「貴重ななり手」であると言えます。社会全体で多様な家族のあり方を受け入れる価値観が広まっていくことを願っています。
今回は養育里親制度と養子縁組の二つを中心に解説しましたが、今後は他の制度についても記事を出したいと思っています。ゲイカップルをはじめ、全てのLGBTQ+の方々が安心して子どもを育てられる社会を目指して、にじいろ子育て🌈ではお役立ち情報の発信を続けていきます。
参考記事
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